総合診療内科プログラム

研修施設:武蔵村山病院

  • 研修期間:必修 8週間
         選択診療科 最長8週間
  • 研修責任者:鹿取正道(院長)、西岡憲一
  • 指導医:荒畑亜呼、津田昌弘
  • 上級医:福井海樹、吉野廉子
  1. 研修プログラムの概要

    診療科の特徴や内容などの概略
    当院内科は、臓器別の疾患単位での診療ではなく、内科一般を横断的に診療し、おもにCommon diseaseを中心に総合内科として医療を展開している。初期研修医は総合内科チーム(研修責任者、指導医、上級医、総合診療後期研修医)に所属し、入院診療、外来診療、救急診療の場において、多種多様な症例を数多く臨床経験をすることになる。診療を通じて、医師として一般的に必要な疾患知識、鑑別診断、医療技術およびその治療について学ぶ。

    1. 内科学の基礎知識の習得
    2. Vital signの理解、理学所見技術の習得
    3. 各種検査の目的・解釈の習得
    4. 医療基礎技術(採血、点滴、治療処置など)の習得
    5. 薬剤使用技術の習得
    6. 診療記録記載技術/そのプレゼンテーション技術の習得
    7. 入院診療、外来診療、救急診療など初歩的な診療技術の習得
    8. 医療に関連する各業種との関係性の理解
    9. ガイドライン・EBMの利用とそのアクセス方法の習得
  2. 研修目標

    1. 一般目標
      1. 内科学の基礎知識の習得
        厚生労働省の定める初期研修医として経験すべき症状・病態・疾患の5割程度、緊急を要する症状・病態の3割程度の症例を経験することを目標とする。基礎的な疾患理解と鑑別とその方法について最低限の理解に努め、併せて疾患治療について学ぶ。
      2. 異なる場での診療経験
        入院診療を中心に、一般内科外来診療、救急外来診療を経験することで、異なる場における診療行為の違いについて学ぶ。
      3. 医療に関連する各業種との関係性の理解
        内科病棟を中心にそのスタッフ(病棟看護師、病棟看護助手)との信頼関係を構築し、相互に情報交換出来る人間関係を獲得する。患者をとりまく退院調整看護師、MSW、栄養士、リハビリテーションスタッフ、外来看護師などのスタッフとのカンファレンスに参加し、入院から退院にいたるまでの医療連携について具体的な症例を通して学ぶ。
    2. 個別目標・具体的目標
      1.  
        1. 理学所見技術の習得;日々のチャートカンファレンスを通じてvital signの重要性を理解する。入院時に頭部から足先までの理学所見を拾い(systemic review)、各々の病状を継続的に評価していく意義を理解し、技術を磨く。
        2. 各種検査の目的・解釈の習得;血液ガス分析、血算、一般生化学検査、尿検査、細菌学的検査・薬剤感受性検査、心電図、呼吸機能検査、心電図monitoring、単純胸部・腹部X線、CT検査など実臨床で理解する。
        3. 医療基礎技術の習得;採血(静脈、動脈)、採尿(balloon挿入)、点滴挿入(末梢静脈、中心静脈)、胸腔穿刺・ドレナージ、腹腔穿刺、褥瘡管理など
        4. 診療記録記載技術/その症例プレゼンテーション技術の習得;入院から退院までの診療記録・また医療情報のまとめかたを習得する。また各conferenceを通じて他人に情報を伝える技術を習得する。
        5. 薬剤使用技術の習得;各種薬剤の使用法、副作用、TDMの必要性など学習
        6. ガイドライン・EBMの利用とそのアクセス方法の習得;症例を通じて、日々updateする標準治療に対する情報のアクセス方法を学ぶ。
      2.  
        1. 入院診療では、内科医として入院から退院まで一貫した診断・治療・退院調整を自らの力で完結させる事を目標とする。
        2. 救急診療では、その初療を通じて、救急疾患トリアージを行い、適切な対応を独力で行えることを目標とする。
        3. 一般内科外来診療では、common disease の適切な初療対応を学ぶ。
  3. 研修方略

    1. 研修体制
      1. 総合診療チームの一員として診療に加わる。
      2. 研修責任者を中心としたマンツーマン方式をとる。疾患に応じて内科他医師とのマンツーマン方式で内科チームの一員として参加。
    2. 研修の場
      1. 入院診療:急性期病棟を中心に、地域包括ケア病棟、療養病棟の患者管理
      2. 外来診療:週5回の一般内科外来での診療(指導医の指導の下)
      3. 救急診療:週2コマの二次救急外来担当としての診療
    3. 研修スケジュール
        朝チャート
      (7:30〜)
      午前 午後 夕方チャート
      (17:00頃〜)
      受持患者プレゼン 外来診療 病棟管理 受持患者プレゼン
      受持患者プレゼン 病棟管理 外来診療 受持患者プレゼン
      研修日
      受持患者プレゼン 救急外来/病棟管理 外来診療 受持患者プレゼン
      総合診療勉強会
      受持患者プレゼン 外来診療 救急外来/病棟管理 受持患者プレゼン
      受持患者プレゼン
      総合診療勉強会
      外来診療 救急外来/病棟管理 受持患者プレゼン

      *1:研修日は週1回確保されている。
      *2:チャートカンファレンス
      すべての受け持ち患者に関する情報交換と治療方針決定の場、連日朝・晩で行われるため、現在患者に起きていること、現在問題点を中心にきめ細かな症例プレゼンテーションと問題提起が要求される。
      *3:多職種病棟カンファレンス(急性期病棟、地域包括ケア病棟)、総合診療科カンファレンスが合計週3回以上ある。
      *4:救急外来は指導医、総合診療後期研修医、初期研修医で分担。

      • <薬剤部研修>
        研修期間内1日を費やし、TDMの理解、薬剤処方から配薬までの流れなど、医師として理解すべき薬剤業務を体験・研修する。
      • <退院調整・医療相談部門研修>
        研修期間内1日を費やし、入院患者の退院調整、介護保険の理解と介護職との連携、施設選定や転院・転所手続きなど、医師として理解すべき業務を体験・研修する。
      • <ミニレクチャー>
        ① 指導医からのミニレクチャー(毎週)
        ②後期研修医(総合診療医)からのミニレクチャー(毎週)
  4. 研修成果の評価

    評価時期と方法
    1. 指導医からのフィードバック
      2週間に1度(土曜日)に振り返りシートを使いながら。指導医とともに振り返る。
    2. MSF(multi-source feedback、360度評価)
      指導医・看護師・薬剤師・退院調整看護師・MSW など多職種の視点で研修医評価をしてもらい、結果をfeedback する。

初期臨床研修

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